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獄中小説『獄窓』第16話 「さまよう心」

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ー​獄窓 あらすじー 歌手を志して上京した新村陽色に待ち受けていたものは、ケンカ、クスリに明け暮れるアウトローな日々だった。歌手として食べていくという夢とは裏腹に陽色は覚せい剤(シャブ)の売人として荒稼ぎ、贅沢三昧な生活を送っていたのだった。 そして気付けば自らもシャブの魔力にどっぷりと漬かってしまう。 そんな陽色の唯一の支えは慧という愛する彼女の存在だった。 陽色は一刻も早くこんな荒れ果てた生活から足を洗い、慧と幸せな家庭を築こうと思っていた。 しかし、シャブの上客だった鎌田の代金踏み倒しの事件から、陽色は自らを制する事が不可能となっていた。 そして遂に鎌田の住むビルへ自ら乗り込んでしまうのであった・・・ この物語は、新村陽色自身の実際の経験を元に刑務所生活の中で、 人間が自分自身の過ちや自分の居場所、考え方、現実に真っ向から向き合い 葛藤する姿を描いた物語である。 ~第16話 「さまよう心」~ 次と次と陽色を襲った絶望はあまりに闇が深すぎた。陽色はもう立ち直ることができないほど廃人化していた。ただ息を吸い飯を食って寝る、それだけの繰り返し。生きる希望を見失っていた。もう娑婆に出たいという気持ちは無くなっていた。ずっとこのままここでひっそりと暮らして行き、誰にも気付かれずひっそりと死にたいと思っていた。そんな時以前応募した職業訓練の選考に合格したという知らせが届いた。陽色は東京から遥か離れた四国のM刑務所へ半年間の職業訓練へ行くことになったのだ。

ー​獄窓 あらすじー 歌手を志して上京した新村陽色に待ち受けていたものは、ケンカ、クスリに明け暮れるアウトローな日々だった。歌手として食べていくという夢とは裏腹に陽色は覚せい剤(シャブ)の売人として荒稼ぎ、贅沢三昧な生活を送っていたのだった。 そして気付けば自らもシャブの魔力にどっぷりと漬かってしまう。 そんな陽色の唯一の支えは慧という愛する彼女の存在だった。 陽色は一刻も早くこんな荒れ果てた生活から足を洗い、慧と幸せな家庭を築こうと思っていた。 しかし、シャブの上客だった鎌田の代金踏み倒しの事件から、陽色は自らを制する事が不可能となっていた。 そして遂に鎌田の住むビルへ自ら乗り込んでしまうのであった・・・ この物語は、新村陽色自身の実際の経験を元に刑務所生活の中で、 人間が自分自身の過ちや自分の居場所、考え方、現実に真っ向から向き合い 葛藤する姿を描いた物語である。 ~第16話 「さまよう心」~ 次と次と陽色を襲った絶望はあまりに闇が深すぎた。陽色はもう立ち直ることができないほど廃人化していた。ただ息を吸い飯を食って寝る、それだけの繰り返し。生きる希望を見失っていた。もう娑婆に出たいという気持ちは無くなっていた。ずっとこのままここでひっそりと暮らして行き、誰にも気付かれずひっそりと死にたいと思っていた。そんな時以前応募した職業訓練の選考に合格したという知らせが届いた。陽色は東京から遥か離れた四国のM刑務所へ半年間の職業訓練へ行くことになったのだ。